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岐阜で得た貴重な経験(2008~2011)

 

今年の7月末に岐阜県の国際交流員を退職し、岐阜を離れました。里帰りや新しい住居への引っ越しなどで、あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、 2011年が終わる前に、岐阜に対する感謝の思いを込めて、3年間に渡る貴重な経験をまとめさせていただきたいと思います。


私はJETプログラムに応募する前には岐阜とまったく関係のない人間でした。ある日「おめでとうございます。あなたは岐阜県庁国際課に配属されることになりました。」と在仏日本大使館からの通知書が届いた時、受かった喜びの気持ちに包まれると同時に「どうして岐阜?」という疑問がありました。「岐阜」に対するイメージは・・・高山市の古い町並みと世界遺産の「白川郷」・・・なんとなくそれは知っていました。なぜなら偶然にも数か月前にパリを訪れた岐阜市長の講演を聞いていたからです。また、岐阜でホームステイをした経験がある友人がおり、そのことも思い出し、一度も訪れたことのない土地ではありましたが、何か不思議な縁を感じていました。

 

Photo_4 岐阜県は在日フランス大使館とともに、2007年に「フランス岐阜・地域交流プログラム」を設立しました。現在の古田肇岐阜県知事は過去にフランスの著名な行政大学ENAに留学され、現在の駐日フランス大使とは同期生とのこともあり、フランスとの交流に力を入れられているのです。このプログラムの一環として2008年にフランス人CIRを国際課に受け入れることになり、私がその初代CIRという立場になりました。フランス岐阜・地域交流プログラムでは、観光分野をはじめ多岐にわたる持続可能なプロジェクトが行われています。たとえば岐阜へのフランス企業誘致のサポートや、美術館の学芸員同士の交流、大学間交流など様々です。私は主にフランス語を活用する仕事を担当し、「フランス・岐阜地域交流プログラム」の管理の他、県の各種書類の翻訳・駐日仏大使や海外からの訪問者への通訳、県の情報発信、またモロッコウジュダ・アンガッド府との連絡調整も担当しました。

 

Dscn0384_2 フランスとの交流はもちろんですが、「モロッコ?」と驚かれる方が多いと思いますが、モロッコはフランス語圏であり、岐阜県はウジュダ・アンガッド府との交流を進めているので、私はCIRとしてサポートしていきました。乾燥地であるモロッコの緑地化をサポートするためJICAの事業を活用して、岐阜県の国際園芸アカデミーにモロッコ人研修生を3年連続で受け入れることになっていました。私は研修生をはじめウジュダ・アンガッド府との連絡調整をする一方で、次期交流分野の調整にもつとめました。2010年には国際課長と園芸アカデミーの学長さんと3人でモロッコに一週間出張することもありました。その際、オリエンタル州ワリ兼ウジュダ・アンガッド府知事ともお会いすることができ、これは私にとって新しい文化を学びながら日本との調整を行う刺激的で有意義な体験となりました。

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「フランス岐阜・地域交流プログラム」の中で、一番画期的な分野は観光でした。毎年パリで開催されているMAP国際観光博覧会に2度も参加させていただく機会があり、パリの旅行会社へ岐阜県をPRするなど、観光誘客に貢献することが出来ました。岐阜には素晴らしいところがたくさんあることをフランス人に伝えるため、フランス語版のパンフレットを作り、現地で知名度についてアンケートを取ったりして、フランス人の感想を聞き共感することが多かったです。私が初めて高山市と白川郷を訪れたのは、岐阜に配属された数日後、在京大使やVIPの観光案内に英語による通訳として参加した時でした。非常に緊張していたにも関わらず、白川郷の合掌造り家屋と高山の古い街並みの神秘的な美しさに圧倒され、通訳の緊張が少し解された覚えがあります。Dscn1612 また、岐阜には外にも、清流長良川や下呂温泉など、豊かな自然をはじめ、関市の刃物、美濃焼きや和紙、郡上市の食品サンプル作りなど産業や伝統工芸にも恵まれています。私も岐阜に来る前は岐阜について何も知りませんでしたが、岐阜で暮らして各地を回っていくうちに岐阜のユニークな美しさを感じ、地理的に離れてしまっても岐阜の良さを人に伝えていきたいと思います。 


Photo_3 「フランス岐阜・地域交流プログラム」の既定交流プロジェクトをサポートする一方、新しいプロジェクトを企画することも出来ました。一例として、日本の文化「漫画」をテーマにしたパリのユーラジアム専門学校と岐阜の大垣女子短期大学の交流です。これは、私が岐阜県に配属された一年目に、短大が漫画の分野で海外との交流を希望していることを知り、その分野を教育するフランスの大学や学校の情報提供を行ったことからはじまりました。2010年には初めてフランスからの留学生の受け入れが実現し、留学生の受け入れにあたる準備を行いました。今年(2011年)は提携が正式に結ばれ、今後は短大の学生もパリへの交換留学をする可能性も検討しています。このような新しいプロジェクトの設立に携わり、様々な困難にぶつかりながらも、仕事にやりがいと充実感を覚えることができ、とても感謝しています。

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 Photo_3 その他に、CIR在職中に岐阜とニューカレドニアの交流促進に取り組みました。フランス文化の多様性を知ってもらう機会として私の故郷であるニューカレドニアの文化紹介活動を積極的に行いました。学校や、各市町村の国際交流協会において、ダンス体験や伝統的な料理の試食、フランス語講座などを含むセミナーを開催しました。また、ニューカレドニアに対しては、日仏コミュニティーや領事館を通して、岐阜県のPRを続けていました。こうした交流をきっかけに、二つの交流プロジェクトが実現出来ました。一つはニューカレドニアの高校の日本語クラス(生徒20人・担任の先生3人)が岐阜に一週間滞在した企画です。P1050962p_2 ホームステイをしながら、岐阜の各地を観光し、日本語を学び、日本文化を体験していただきました。二つ目は、岐阜の中学生(生徒4人・担任の先生1人・岐阜日仏協会会長)がニューカレドニアのスポーツイベントに参加するプロジェクトでした。これらは岐阜日仏協会の協力のもと実現することができた素晴らしい交流事業であり、サポートしていただいた方々に深く感謝しています。私は、学校訪問の際に交流していたニューカレドニアと岐阜の生徒の夢あふれる目の輝きを一生忘れられません。 

  

感動し、やりがいを感じ、また勉強となる事業に多く携わることができ、感謝しています。日本で働くことは初めてでしたし、私のポストには前任者がいなかったので、最初は不安なこともありましたが、楽しく仕事が出来たのはオープンで温かい職場にめぐまれたからです。国際課のメンバー、そして仕事を一緒にさせていただいた方々、また仕事以外にもお付き合いさせていただいた県庁の皆さまに大変お世話になり深く感謝しています。皆さんのおかげで学んだことはすべて宝物です。日本社会のことだけではなく、母国(フランスとニューカレドニア)のことも、そして自分自身のことまでたくさん学ぶことが出来ました。私のこれからの人生の大きな土台となるような経験をさせていただき、ありがとう、岐阜。また、遊びに行きますので、これからもよろしくお願いします。

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コメント

3年間、岐阜県とフランスの懸け橋に貢献してくれたマイコさん。
この3年間の想いを読んで、コメントを書きたくなりました。
お疲れ様、そしてありがとう。
マイコさんが造り上げた懸け橋は、今後も受け継げられるでしょう。
静岡でも、マイコさんらしく、マイコさんのスマイルでさらなる活躍を 心から期待してます!

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